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ここが変だよ勤務表!(1)

ある事務長さんの悩み

「看護部から提出された勤務実績表を見て唖然! ある病棟の勤務実績を見ると、公休日数10日の内訳が〝公休1日 代休9日〟と表記されていました。師長に確認すると、「代休は3か月以内に消化する決まりなので、溜まっていた分をまとめてあてた」とのこと。公休日に代休をあてるような運用を昔から慣習として行っているようですが、さすがにこれは認めるわけにはいかない」

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 看護・介護職の勤務表で目立つのが、公休日の解釈や代休の与え方など「休日」の不適切処理です。その多くは法律に対する無知や誤認が原因ですが、人員配置基準ぎりぎりのやりくりのなかで運用していくうちに育まれた独自ルール、看護・介護の世界の〝文化〟とさえ言えます。冒頭の事務長さんが目の当たりにした「公休日に代休をあてる」という慣習もそのひとつです。それが下の勤務表の看護職Aさんです。

 看護職Aさん、う~ん、一見して「??」な表記ですよね。

 当然ながら、代休は勤務日に与えるもので、公休日に代休をあてる余地はありません。公休日に有給休暇を取るのと同じ間違いです。代休をまとめて9日分あてたのは、代休は3か月以内に与えるのがこの病院のルールになっているからのようです。これまでは看護職Bさんのように、公休日に代休をあてる処理が1、2日程度であったため、事務長は一見して不適切とは気づかなかったようです。

 こうした処理をするとどのような不都合が生じるかというと、賃金の一部不払いが生じる可能性があることです。代休は、休日出勤をした代償として他の勤務日に休ませることで、休日出勤した分の賃金が相殺されます。しかし、代休を公休日に与えてしまうと代休を与えたことにならないため、休日出勤した日の賃金をその月の給与で支払わない限り未払いのまま残ってしまいます。これは結果的に代休を与えられなかった場合にも同じことがいえます。

「振替休日」と「代休」の違いを簡潔に

 振替休日は、公休日と勤務日を事前に入れ替えることで、「休日出勤をする前の措置」です。同一週内もしくは同月内(月を超えてシフトをまたがず)に休日を振り替えることが原則とされ、労働基準法に定められた制度です。

 代休は、実際に休日出勤をした後に、その代償として他の日に休ませることで、「休日出勤をしたあとの措置」です。勤務表作成後に急な欠勤の代替勤務などで休日出勤した場合に、翌月以降に休日を与えるというケースです。代休は労働基準法に定められた制度ではないため、代休を与えるか与えないか、代休日を所属長が指定するか職員本人が決めるか、あるいは1日単位で与えるか半日単位で与えるかなど、ルールは自由に決められます。ただし、制度運用する場合は就業規則に規定する必要があります。

 このままでは代休を与えたことにはならない、休日出勤分の賃金の未払いが蓄積される……と思ったところ、よくよく話を聞いてみると、「代休も公休日数も確保できている」ということが判明しました。

 次回へ続く

カテゴリー: 介護 医療

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