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ここまでやる 病院の勤怠管理②

after・withコロナ――

自己研鑽まで申請させて職員の「働き方」を把握

 医師の勤怠管理の方法として、最近ではスマホのアプリを使った管理方法を取り入れている病院が少しずつ増えてきました。しかしこれは、医師の業務の性質に適った管理方法であって、また、医師の自主性に頼らざるを得ない部分もあります。単に残業時間を管理するだけでなく、職員個々の「働き方」を把握しようとするならば、アナログ的なひと工夫が必要になります。

 前回に引き続き、こちらもリハビリテーション病院の事例ですが、より画期的な勤怠管理の方法に取り組んでいます。

 この病院では、ICカードで出退勤時刻(院内滞在時間)を管理し、時間外勤務を「時間外勤務申請書」で管理しています。特徴的なのは、理学療法士などセラピストに多くみられる時間外の「自己研鑽」まで申請させて時間外の勤務実態を把握していることです。

 残業を行う場合、職員が時間外勤務申請書を所属長に提出して承認を得ますが、申請理由を業務に限らず、「休憩」「自己学習」「勉強会」「自己準備」に区分しています。このなかで残業代の支払い対象とするものは業務以外では「勉強会」(一部を除く)のみとしています。職員本人に「自己学習」と申請させることで、業務ではなく「自己研鑽」であることを意識づけられるからです。ただし、「自己学習」と申請しても所属長が内容を確認したうえで業務の範疇と判断すれば「業務」に変更させることもあり、申請内容をかなり細かく精査するしくみにしています。

 結果的に、ICカードに記録された院内滞在時間には、所定の勤務時間のほか、時間外業務、自己学習、勉強会、休憩時間、自己準備、その他(更衣や移動時間ほか)が含まれます。したがって、この病院の場合、「タイムカード記録との乖離」とされるのは、「その他」のみとなります。

 こうした記録を病棟ごと、部署ごとに管理し、毎月職員別にグラフ化して情報共有します。この方法で、時間外の業務だけでなく、月に60時間など自己学習の時間が長時間に及ぶ職員も把握できるため、所属長を通じて注意喚起します。時間外労働のみを管理する視点ではなく、院内滞在時間全体を管理し、それを削減させることで実質的な時間外労働の削減につなげています。この方法だと、職員個々の「働き方」がよく把握できるそうです。

 この病院は、同種の他の病院から〝ブランド〟と呼ばれるほどリハビリテーション医療の質の高さには定評がありますが、自己研鑽の内容と時間まで管理する日々のきめ細かい勤怠管理がセラピストの質の向上にもつながっているのです。

カテゴリー: 医療

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