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続・看護職の働き方改革(4)

ある看護部長さんの悩み

「看護職が働き続けられるために超過勤務の削減など取り組むべき課題は多いのですが、人手不足のなかで、看護ケアに真摯に向き合いながら働き方改革を進めるのは簡単ではありません。ICTを活用した業務の効率化も検討中ですが、どんな取り組みが効果的なのか悩みどころです」

ルーチンワークの標準化、ICT化で看護業務の効率化

「続・看護職の働き方改革(2)」でも取り上げましたが、2021年3月に日本看護協会が公表した「就業継続が可能な看護職の働き方の提案」の5要因・10項目のなかでも、「時間外労働」の改善は看護職が働き続けられるための大きな要因の一つとしています。

 また、時間外労働の時間数に目を向けてみると、他職種と比較して残業が多いか少ないかではなく、「看護職個人がどう感じるか」が重要です。同協会の調査によると、1か月の時間外勤務が20時間以上になると、看護職個人の仕事・生活満足度の得点が低く、離職意向高まる傾向がみられ、逆に1か月の時間外勤務が5時間未満の場合は、仕事・生活満足度の得点が高く、離職意向が低い傾向にあることがわかりました。

 看護業務の効率化と時間外労働の削減の方法は大きく次のように分けられますが、どの方法が適切かは病院や看護部の事情を考慮して検討するひつようがあるでしょう。

◆ルーチンワークの標準化

 記録方法、看護ケア、業務手順、物品配置や動線等を標準化する。

◆リリーフ体制の整備

 患者の急変やスタッフの急な欠勤等に対応するためのリリーフ体制を整備する。その際、リーフ体制の基準作成、リーフに行く人材の育成も必要です。

◆タスク・シフト&シェア

 看護補助者、看護クラーク等の活用、多職種連携など。問題は、ヘルパーなども含めて看護補助者の確保に苦慮している施設が多く、看護職からの〝シフト先〟がないことです。

●ICT化

 ICTなどの活用については、実際に導入した事例を参考にするとよいでしょう。日本看護協会のポータルサイト「看護業務効率化先進事例収集・周知事業」では、記録業務をスマートフォンで音声入力し電子カルテに反映されるシステムを導入した事例、スマートフォンの活用とウエブ会議の活用で業務の効率化に取り組んだ事例、RPA(ロボットによる業務自動化)導入による看護管理業務の効率化を推進した事例などが紹介されているので参照してみてください。

カテゴリー: 介護 医療

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