after・withコロナ――
最近は、プリセプター制度はとっていても、技術指導は病棟全体のチームで行い、勤務を一緒にしない、生活面を含めた決められた相談相手をプリセプターとしている施設が多いと聞きます(あるいはその逆のケースも)。
プリセプターというよりも、どちらかといえばチューター制度に近い指導方法ですが、実際、これまで私がサポートした、あるいはヒアリングを行ってきた施設もそうしたところが多かったように思います。
「相談相手は専任で、指導はチームで」というのが今の新人教育体制の主流のようですね。いくつか事例をみていきましょう。
◆プリセプターとメンターでサポート
業務指導をするプリセプターと、相談相手となるメンターをそれぞれ別の先輩職員が担当します。プリセプターは仕事の能力優先で人選し、メンターは人柄を優先して3、4年目の職員もしくは経験豊富なベテランから人選します。また、業務指導はプリセプターと新人育成委員会が連動して指導にあたることで、プリセプター自身の精神的負担の軽減も図っています(200床以上、民間病院)。
◆プリセプターは精神面をサポート
新人は、配属後1年間はプリセプターが相談相手となり生活面のアドバイスや精神面をサポートします。知識や技術面は、新人教育担当責任者が中心となり、病棟スタッフ全員でサポートします。2年目以降は、看護部が独自に作成したクリニカルラダーを活用して1年間の目標とその後のキャリアプランの設計を促すことにしています(200床以上、大学病院)。
◆業務指導はチーム全員でサポート
プリセプターは新人のメンタル面のみをサポートする相談相手。業務指導はチーム指導体制をとっていて、指導方法も病棟ごとに工夫しています。チェックシートを活用して指導したり、新人がやるべき業務をナースステーションのテーブルや壁に張り出したり。また、ナースステーションに「提案箱」を設置して、日々の細かい業務改善にも努めています(200以下、民間病院)。
全体指導体制をとる場合、指導する者を固定化しないことになりますが、「指導内容が統一されていないため、いつも違うことを指導されて困る」と新人を困惑させないよう、指導内容や方法をマニュアル化しておく必要もあります。
また、済生会病院や日赤病院などで実践されている「屋根瓦式教育体制」のように、教わる側だけでなく、教える側も自らの看護実践へのリフレクションを通して学ぶことで、看護職員全体の能力向上に繋げる教育体制をとっているケースも見られます。
コメント