after・withコロナ――
ある病棟師長さんの悩み
「スタッフの残業を減らそうとすると師長自らスタッフの業務を負担し、管理業務が二の次に。遅くまで残務で残っている師長が多く、管理職だから仕方ないとはいえ疑問を感じます……」
医療機関の労務コンサルティングや研修講師などの場面で、医療現場の師長さんからよく聞く悩み事の1つです。今のコロナ禍の特殊な状況を除いたとしても、「働き方改革」の影響で部署の残業削減が管理職の至上命題となっていることはたしかです。ただ、減らしたスタッフの業務負担がそのまま師長や主任など中間管理職にのし掛かっている職場は少なくありません。
管理職のマネジメントを考える前提として、病院の経営層や事務長に理解してほしいことが2つあります。
1つは、看護部というチームを支えているのは、師長や主任など中間管理職であること
1つは、その中間管理職を全力でサポートすることが病院トップ、看護部長、事務部門の役割であること
例えば、「ドクターの指示が遅い」ことが看護師の残業の一因であった場合、「指示は16時半までに」というように、ドクターの指示時間を見直すよう看護部が提案した場合、組織として理解してあげてください。
例えば、「前残業」を改善しようという場合、師長の指導に任せきりにするのではなく、「今後は看護部の定時前出勤を見直します」と、組織の指針をスタッフ全員に示してください。そうでないと師長とスタッフの人間関係がこじれることがあります。
こうした職場レベルの意識改革を進めることが、医療現場の本当の「働き方改革」につながると考えます。
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