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看護管理者のマネジメント(2)

after・withコロナ――

ある看護部長さんの悩み

「最近、職員調査をしたところ、残業代として支払われている時間分と、超過勤務として申請されている時間にかなり乖離があるスタッフが相当数いることが分かりました。実労働時間をどのように管理したらいいか……」

 時間外労働の上限規制をはじめとした働き方改革関連法の施行に伴い、「実労働時間の把握」は医療減ばの労務管理上とても重要な課題となっています。そこで問題になるのが、タイムカード等の客観的記録がイコール労働時間なのかということです。

 その点は、シンプルに考えましょう。

 そもそも残業代は、タイムカード等の時間が8時間を超えたから支払うものではなく、実労働時間が法定労働時間の8時間を超えたときに支払うものです。だからこそ、実労働時間をいかに把握するかが重要なのです。

労働時間管理はアナログの視点も必要

 タイムカードやICカード等は「労働時間を記録するものではなく、勤怠管理のための記録にすぎない」というのが一般的な考え方です。しかし最近の裁判では、残業の許可を出さずに残業をしている従業員を放置していたなど、勤怠管理の方法がずさんだったために、タイムカード等の客観記録がそのまま労働時間とみなされる傾向にあります。

 そうなると、「スタッフがだらだらと居残っていただけ」と、上司にも言い分があります。それならなおさら時間外申請書などを活用して、できるだけ実労働時間を把握する仕組みづくりが必要です。

 最新の就業管理システムを導入したり、パソコン上で残業申請や管理を行ったりするケースもありますが、アナログの部分は必要です。「紙で提出する」といったやり取りが上司とスタッフの対話を増やし、管理職のマネジメントに役立つこともあります。

 看護現場の話ではないですが、ある病院では、ドクターについては出勤簿に押印する方式を取っていますが、時間外勤務を「勤務時間管理表」で管理しています。退勤時刻を記入してもらい、時間外になった場合はその理由を業務か、自己研さんか、学会の資料作りなのかなど、医師が面倒がらずに記入できるように番号で選択する方式にしているようです。

 一筋縄ではいかないドクターの労働時間管理について、できるだけ実労働時間を把握しようという病院は以前よりも確実に増えています。

 次回は、「勤務が終了しても帰らないスタッフをどう指導すればよいか」

カテゴリー: 医療

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