◆スタッフが辞めない「働きやすい診療所」の10か条

「スタッフが辞めない診療所」は、労働条件や人間関係の良さなどの「働きやすさ」に加えて、スタッフのモチベーションを高める「働きがい」にも注力しています。

「働きやすさ」は、残業が少なく、休みがとりやすいといった労働条件、人間関係の良さから得られるものです。ただし、院長がスタッフの言いなりでは経営が成り立ちません。診療所としてのルールを決めて、就業規則や雇用契約書で明文化する必要があります。実はこのルールを明文化し、スタッフに理解させるという作業が、診療所など医療機関（医療従事者）に最も欠けている点のひとつです。

「働きがい」は、公平な評価と、研修などスキルアップの機会があることで自分の成長が望めることから得られるものです。職種ごとの年功序列の賃金体系が多く、きちんとした評価制度がない施設が多いのも医療機関の特徴でもあります。
　
　このように、一般企業では当たり前に行われている（‥‥？）労務マネジメントができていない医療機関が多いということは、裏を返せば、それらができている診療所は確実にスタッフから選ばれているということです。
　そこで、これまで数多くの医療機関を見てきて、スタッフが働きやすいであろう診療所に共通する項目を私なりにまとめてみました。

《働きやすい診療所の10か条》

１　経営理念に基づいた、院長の指導に一貫性がある
２　コミュニケーションが良くとれていて、人間関係が良い
３　院長がスタッフの話に耳を傾け、真剣に聞いている
　　（普段からの声かけ、定期的な面談など）
４　院長が温厚で、患者だけでなくスタッフに対しても同じ態度で接している
５　残業が少なく、勤務時間に融通がきく
６　休みがとりやすい
７　勤務時間等の変更の相談がしやすい
８　診療所のルールが就業規則等で明文化されている
９　公平な評価制度がある
10　研修の支援をしてくれ、スキルアップが望める

（つづく）